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「ごはん3合いけます」「1杯だけじゃ足りないですね」「おかわりがほしいです!」
食べた人たちが次々とこんなことばを口にしていくおかずの数々。
炊きたてのご飯のように熱気を帯びた「多古米おかず選手権」が、10月、千葉県多古町で開かれました。
YouTubeで人気の料理研究家リュウジさんも太鼓判を押した「おかず」。
一体どんなレシピだったのでしょうか?
(千葉放送局成田支局 櫻井慎太郎)
「昔から食べていたお米」
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多古町はミネラル分を多く含む土壌と豊かな川の水に恵まれ、米作りが盛んで、特産のブランド米「多古米」はもっちりとした食感としっかりした甘みが特徴で、地元の人たちを中心に、根強い人気があります。
千葉県出身で、SNSなどで人気の料理研究家リュウジさんも、かむほどに味わいが広がる、冷めてもおいしいお米だといいます。
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リュウジさん 「多古米は自分も昔から食べていたおいしいお米なので、少しでも多くの人に知ってほしい」
多古米に最も合うおかずは?!
多古米を、もっと多くの人たちに知ってもらい、味わってほしい。
町では去年から、多古米に最も合うおかずのレシピを決める「多古米おかず選手権」を開いていて、ことしも新米の季節にあわせて10月に大会が開かれました。
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エントリーは、考案した自慢のおかずの写真とレシピを大会のホームページから投稿するだけです。ことしは全国から179の応募がありました。
高校生もレシピを応募
書類審査と実食を経て、決勝に進んだのは10品のおかず。その1つが「ヤマトイモ焼売」です。
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隣接する成田市にある下総高校3年の高本理恵さんが考案しました。
大好きなシューマイに多古町で生産が盛んなやまといもを細かく角切りにして入れて、もっちりとした食感に仕上げたひと品です。
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高校の「食物部」で料理に取り組む高本さん。これまでその成果を発表する機会がなかったため、今回、挑戦することを決めたといいます。
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やまといものほくほくした食感がおいしいです。オイスターソースで味付けもしているのでご飯に合うと思います。
おかず決勝戦!
決勝は、10月15日と16日の2日間かけて、町内の古民家を会場に行われました。
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審査員を務めるのは、地域の人たちなど、およそ150人。
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炊きたての多古米とともにバラエティーに富んだおかずを試食していきます。
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こちらは「豚ピーラー油」。
多古町産の豚肉、ねぎ、ピーナッツを混ぜ込んでいます。
考案者の「おみぃ」さんは「ラー油の辛さでごはんが無限にススみます!」とアピールしています。
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こちらは「プッチン親子丼」。
前回最優秀作品に選ばれた「ひろ」さんの作品で、ことしも決勝に残りました。
親子丼をゼラチンで固め、熱々のごはんの上で溶かすという遊び心あふれるレシピです。
鳥インフルエンザの流行で影響を受けた多古町の養鶏場を少しでも支援したいと多古町産の卵を使っています。
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こちらは「多古米泥棒『悪魔の鶏びたし』」。
塩こしょうして焼いた鶏もも肉をおろしニンニクやたかのつめ、オイスターソースが入ったタレにつけています。
考案者の「キュアハイボール」さんは、「ごはん3合いけます」と強気のアピール。
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どれもおいしいのでごはん1杯だけじゃ足りないです。
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難しいね。全部おいしくて審査のしようがない。
審査員はひと品ずつ味わいながら、最もごはんが進んだおかずに丸をつけて投票していきます。
最終審査!
最終審査は、オンラインで行われました。
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最終審査員は、多古町の平山富子町長と、料理研究家のリュウジさん。
審査前に、2人が気になったメニューは・・・
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ごはんにちょこっとのせるおかず系のものが多かったので、絶対うまいだろうなっていうのは、『ねぎ豚カレー味噌』ですかね。
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ヤマトイモなど、地元のものを使って頂いていて、うれしく思います。どれもおいしそうですが、個人的にはお隣成田市の下総高校食物部のレシピが気になります。若い人たちが参加してくださったので、どんなものなのか楽しみです。
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高本さんも高校の部室で、担当の先生とともに見守りました。
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さっき下総という名前をあげてくれたので、ちょっと自信湧いたかなって思います。
すべて食べた2人は・・・。
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3つぐらいに絞れてはいます。でも、まじで難しい!
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悩んでいるんですけど、決めました。一番最初に食べた感触で、これは合うかなと。
おかずNo1は?!
いよいよ結果発表です。
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最優秀賞は、エントリーNo6、薬剤師ビタミンA子さん考案の『♪芋巻き巻き』です。
高本さん、入賞はかないませんでしたが、この経験を前向きに捉えていました。
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残念でしたが、斬新なレシピもあって勉強になりました。多古町の食材のこともたくさん知ったので、これから使っていきたい。
最優秀作品に選ばれた『♪芋巻き巻き』は、やまといもを大きく長方形に切って、多古町産の豚肉でまき、甘辛いタレを絡めたおかずです。
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レシピを考案した薬剤師ビタミンA子さんに話を聞きました。
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去年の大会のあとに多古町の道の駅で、やまといもを購入して、焼いたらサクサクしていてすごいおいしかった。その記憶が残っていて、今回レシピを作るときに、やまといもをつかいたいと思いました。最優秀賞に選ばれて信じられないです。
A子さんは去年も応募して、考案したレシピが優秀作品に選ばれたそうですが、その後、多古町を訪れて、地元の農業者と知り合いになるなど新しいつながりもできた上での再挑戦だったということです。
また、最終審査に残った「多古米泥棒『悪魔の鶏びたし』」というレシピ、実は「キュアハイボール」という名前でリュウジさんが応募したレシピでした。
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匿名で応募したら、なぜかファイナルに残ってしまったっていう。本当すいません。酔っ払った勢いで応募したんですよね。荒らしたみたいですいません。でも、多古米にすごくあいます。
レシピはすべて公開、ぜひ作ってみては?
今回のおかず選手権に応募があった179品のレシピはすべて大会のホームページで公開されているほか、最優秀と優秀作品に選ばれたレシピは今後、商品化が検討されることになっています。
HP ⇒ https://takomai-okazu.com/
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おかずのレシピは誰でも見られるのでぜひ作ってもらい、多古米と合わせたらどんなにおいしいのだろうかと思いをはせてほしいです。
多古米No1を決める大会も
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多古町がおかず選手権で盛り上がる背景には、「多古米」の品質を競ってお互いの腕に磨きをかける、生産者の熱い思いもあります。
町では10年前から、その年の最もおいしい多古米を決める大会「多古米グランプリ」も開いています。
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おかず選手権に先だって、10月9日に行われた決勝大会。
応募した90人の中から選ばれた6人の生産者がお米の出来具合を競いました。
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審査員は、すし職人や有名ホテルの料理人たち。
味や香り、粘り、固さなどを厳しく審査し、会場には独特の緊張感が漂います。
審査の合間には、生産者がことしの多古米にかけた思いを語りました。
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ほとんど休みもとらずに半年間、田んぼに足を運んで、水の量を確認して、やっぱり手間がかかります。心がけているのは食べていただいた方の喜んだ顔を思い浮かべながら作業をしてそういった思いでやっております。
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せがれの代わりに来ました。先祖からの大地、水、粘土質の土壌ということで、ミネラル分が自然に大地の中に流れています。先祖から受け継がれてなんとかやってきて、せがれの代理で、名誉なファイナリストになりうれしい限りです。
グランプリに輝いたのは大谷晴美さんでした。一回目から挑戦し続けて、初のグランプリの獲得です。
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大谷さん「やっとここにきてついにやったかなと。家族もよろこんでくれると思います。今回、グランプリをとれたことは本当にうれしいです。スーツ着てきたかいがあった。
生物を守りながらより安全でよりおいしい米作りを作っていきたいと思いますので、多古米をますます有名にしてみなさんに食べていただきたいというのが願いです」
大谷さんは、若い人たちが稼げる農業のために、基盤整備や田んぼの集約などをして、企業化を目指したい、プライドをかけて、独自の多古米を作っていきたいと話していました。
一方、審査員は多古米をどのように評価しているのでしょうか。
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風戸さん「みんな優勝するほどのお米だったと思います。すごくレベルが高かった。大会は多古町を広く知らせる、愛される活動で素晴らしいと思います。もっと多くの人とつながっていって、大きな大会になって欲しいと思います 」
「多古米グランプリ」には、多古米のファンも県内外から駆けつけていました。
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いつも多古米が大好きで買いに来ています。作る人によって、固かったり粘り気があったり、道の駅で買って色々試しています。また新しいグランプリの人がでたということで食べてみたいと思います。
取材後記
今回の取材では、多くの人の笑顔を見ることができました。地元のお米を、地元の食材を使ったおかずといただく、こんなに幸せなことはないなぁと思いながら取材をしました。また自分の生まれた土地に誇りを持ち、大切にしている人たちの思いにも触れました。そうした思いをこれからも伝えていきたいと思います。
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