2021年1月19日にNECパーソナルコンピュータ(NEC PC)が発表したPCの新ラインアップ。それと同時に発表されたのが、高級Androidタブレット『LAVIE T11』の2モデルです。
実はこの2機種、ある意味でPC以上に注目できるモデルと呼べそうな存在です。というのも、日本では久々の……と言っても過言ではないほどのハイパワーなAndroidタブレットとなるため。これまでNECのAndroidタブレットは廉価機種が中心でしたが、そうしたイメージを打ち破るモデルとなっています。
出荷開始予定日は2021年2月25日、市場想定価格は上位モデル『T1195/BAS』が5万9800円前後、スタンダードモデル『T1175/BAS』が4万2800円前後。
同一シリーズの割に、価格にかなりの差がある……と思われた方もいるでしょうが、実はこの2モデルはストレージやRAM容量といった違いだけでなく、SoCや画面の仕様から異なります。
まずは上位モデルとなるT1195から紹介しましょう。SoCには、クアルコムの『Snapdragon 730G』を搭載。画面は11.5インチの2560×1600解像度有機EL。RAMは6GB、ストレージは128GBを搭載します。
この時点で昨今のAndroidタブレットに詳しいEngadget読者はピンと来たと思いますが、日本の量販店で店頭販売されるAndroidタブとしては最高速クラス。また率直に言うと、レノボブランドで海外発売されている『Lenovo Tab P11 Pro』とほぼ同一の仕様と呼べる構成です。
参考記事:
Lenovo Tab P11 Pro発表、有機EL採用のプレミアムAndroidタブレット(2020年8月)
外装素材はアルミ合金ベースで、外観も画面占有率87%と、タブレットとしてはかなりのナローベゼル設計。厚さ5.8mm、重さ485gの中に8400mAhのバッテリーを搭載し、公称バッテリー駆動時間は「Web閲覧時に約15.6時間」。急速充電は2時間で80%をアピールします。
また画面は、HDR10対応で最大輝度350ニト(nit)、色域は100%カバー(比較対象が不明ですが、おそらくNTSC比。なおLenovo Tab P11 Proは公称NTSC比108%)、応答速度1ms、ブルーライトカットカット機能はテュフラインランド認証済……と、高級Androidタブレットとして期待できる仕様となっています。初期OSはAndroid 10。
さらにスピーカーも、4ユニットのJBLブランドコラボ仕様。ドルビーアトモスチューニングもなされており、サラウンド効果「シネマティックサラウンド」にも対応します。
こうした仕様に合わせ、カメラも「イマドキの仕様」に。背面カメラはデュアル構成で、メインが1300万画素の広角+超広角(画角120度)の500万画素という構成。フロント側も800万画素と高精細で、さらに顔認証用のIRカメラも搭載します。
さらに生体認証は顔認証のみならず、指紋認証にも対応します。
標準カメラアプリも、ポートレートモードや自撮りの美肌加工をはじめ、良い意味でAndroidタブレットらしくない機能をサポートします。
昨今トレンドとなっているキーボード付きカバーも、オプションで用意。ファブリック素材の背面側カバーには130度まで開くキックスタンドが付き、キーボードと合わせるといわゆるSurface Proスタイルになる構成です。
さらに、キーボード接続時にはアプリのマルチウィンドウ表示もサポート。いわゆる「PC的に使える」配慮がなされています。
主要キー配列は日本語JIS準拠で、キーピッチは長いところで1.8mm。幅狭キーなどはあるものの、かなり素直な設計です。キーストロークも1.3mmと、本体カバータイプとしては深めです。
高級タブだけあり、ペン入力にも対応(ペンは別売り)。Bluetooth接続タイプで公称筆圧レベルは4096段階。バッテリーの充電はUSB Type-C端子を使い、20分以内でフル充電をアピールします。
さらにNEC製品らしく、既存のAndroidタブレットと同様に、子供用にデザインされた『キッズモード』を搭載。子供でも使いやすいホーム画面のデザインや、Googleファミリーリンク(制限段階を幅広く設定可能なペアレンタルロック)をサポートします。
スタンダードモデルとなるT1175は、11インチのIPS液晶を搭載するモデル。興味深いのは解像度で、なんと2000×1200と変則的。長辺側はフルHDより80ドットだけ長いという、ちょっと不思議な仕様です。
画質関連に関しては、HDR映像ソースはHDR10対応。最大輝度は350ニトで、色域はこちらも元が不明なれど「100%」。上位モデルと同じくNTSC比と思われます。ブルーライトカット機能も当然搭載しますが、テュフラインランド認証は受けていません。
SoCはクアルコムのSnapdragon 662を搭載。RAMは4GB、ストレージは128GBという構成です。さすがにSoCの処理速度は上位モデルよりは相応に落ちますが、Androidタブレットとしては高速な水準と呼べるもの。
なお、T1195と同じく、海外向けにはほぼ同一のレノボブランドモデル『Lenovo Tab P11』がラインアップされています(こちらの液晶も長辺2000ドットの仕様です)。
外装素材はアルミとABSベースで、画面占有率は85%と、こちらもかなりのナローベゼル設計。本体重量は490gと。上位とほぼ同じ。ただし厚さは7.5mmと、ここは相応の差があります。
バッテリー容量は7500mAhで、公称バッテリー駆動時間は「Web閲覧時に約13.6時間」。急速充電は上位モデルと同じく、2時間で80%をアピールします。
スピーカーは上位モデル譲りの4ユニット構成で、JBLコラボではないものの、ドルビーアトモスチューニングを継承。シネマティックサラウンド機能にも対応します。
カメラは背面側がシングル(1300万画素)と、ここは価格なりの仕様。フロントは800万画素で、顔認識用カメラは非搭載ながら顔認証に対応します(ただし指紋認証は非搭載)。
オプションとして、専用のカバー付きキーボードと、ペン(こちらはT1195と共通)が用意されます。
このようにLAVIE T11は、日本で販売されるAndroidタブレットとしては例外的な……と評しても大げさではないほどの充実した仕様のモデル。
NEC PC側はシリーズのキャッチコピーとして「スペック重視のIT・デジタル機器が好きなユーザーにご納得いただけるプレミアムAndroidタブレット」と称しますが、とくに上位モデルことT1195は、Androidタブレット全体として見ても注目できる性能と呼べそうです。
良い意味でNECから登場したことが意外なほどの、また市場的にも絶滅寸前だった高級・高速Androidタブレットとして、タブレット派には大きく注目できるモデルとなることは間違いないでしょう。
Source:製品ページ(NEC PC)
からの記事と詳細 ( Androidタブ派待望、高速Androidタブレット2モデルがNECから。上位モデルはS730G搭載 - Engadget日本版 )
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